この記事では、英語ができない人間による、英語プレゼンの作り方を紹介します。
今後、1000 English Speakersに参加したいと思っている方がいれば何か参考になるかもしれません。
■ 経緯1:出場のきっかけ
英語はこれから絶対に必要だろうけど、どこから手をつければいいかわからず困っている。そんなタイミングで1000 English Speakersの告知を見つけました。その場のノリで「とにかく出場してやってみよう!挑戦だ!」とエントリを決めました。
学生向けのビジコンに参加するなど、プレゼンは学生の頃からよくやっていました。得意な技術のひとつでもあります。昨年のWebディレクター交流会のLTで自信をいただいて、「次のステップにすすもう」と前向きな気持ちだったことも出場に踏み切るうえで大きかったと思います。
英語での提出が義務付けられていたプレゼン概要は、「いま喋れないけど、とにかくなんとかするのでお願いします」と、全部日本語で送りました。プレゼンのネタは、とくに問題なく。エルシャダイだけに。
言語やスライドは道具にすぎないので、「伝えたい」という思いや、色々なものごとから学んだ結果としての「内容」が本質的には大事なんだと、最近特に感じます。
募集エントリ
世界に出ようぜ!英語プレゼン大会出場者募集【湯川】 : TechWave
■ 経緯2 : 落胆、そして、10日前に出場発覚
年末の出場メールに気づかず、落選したものだとばっかり思い込んで年末年始は遊び呆けていました。
しかし、1月11日にアップされたこのエントリによって事態は急変しました。
トップバッターはTechCrunch50の動画で「世界に出よう」と勇気をもらった、頓知・の井口さん。そして、何度見ても"Yuya Yokomura"が一番最後に書いてある。El Shaddaiとか書いてある。おかしい。何度画面をこすっても。おかしい。なんど目をこすっても消えない。おかしい。最後にいる。トリにいる。トリシャダイ。
「そんな装備で大丈夫か?」「大丈夫だ、問題なう」
そんなやりとりが頭をループしていました。これから1000人が喋ろうかというイベントの第一回目の大事なトリです。それを日本語でレジュメを送ってきた(おそらく唯一の)馬鹿に任せる。その心意気に感服して、プレッシャーに押し負けて、即座に1000 English Speakers担当の@okappanをリムーブしました。
■ プレゼン準備その1:戦略を練る
・1シート、なるべく1メッセージ
・なるべく画像をつかう
・絵本のように簡単に、物語をつくる
・自分の本当に好きなものを紹介する
・論理を駆使して気持ちを伝える
ケースバイケースですが、日本語プレゼンの時は上記のようなことを気にかけています。
英語ではどうしようか?と考えてみたのですが、想像つかないので日本語の時と同じように作り始めることにしました。
■ プレゼン準備その2:プレゼン原稿をつくる下準備
色々な方法があると思いますが、最近は「鏡の前で自分の顔をよく見ながら、自分と対話する」方法にはまっています。何度も繰り返すと自分の思考がクリアになるからです。就活生の自己分析的なものにも応用できると思います。私は自分探し10年選手(28歳)なので。
鏡の前でプレゼン練習する時のステップとしては
1.「伝えたい思い」を明確にする
今回のプレゼンでは「日本の独特なインターネット文化を英語で世界に発信したい」というのが根本的な思いでした。論理ではなく、まずは「思い」を明確にします。自分の中の内なる声に耳を傾ける感じです。
「思い」が明確でない場合は、鏡の中の自分に問いかけてみると見つかりやすいような気がしています。「何を伝えたいの?」「なんで?」「こういうこと?」「ほんとに?」の順番で、自分の目を見て明確化しています。いや、実際かなり気持ち悪い作業なんですが、有効ではあります。
2.「伝えたい相手」を明確にする
今回のケースでは、頓知・の井口さんでした。個人的にとても暗い時期だった2008年。TechCrunch50のスピーチと活躍に勇気をもらったからです。彼をロールモデルに、彼に対して、僕の思いを、英語で伝えたいと思いました。
「ドラクエにはまった経験のあるWebディレクター」「昔の同僚」「お世話になった人」「出資してくれそうな相手」などなど、状況によって伝えたい相手は異なるでしょうし、複数いる場合もあるでしょうが、なるべく顔を思い浮かべて明確にすることが重要です。
相手を明確にイメージしたら、その相手に向けて語りかけるようなイメージで準備をすすめます。1月12日‐14日の間は、なぜかいつも赤いマフラーをつけている頭モジャモジャのおっさんのことをずっと思っていました。
「よもや君に出会えようとは。蠍座の私には、センチメンタリズムな運命を感じずにはいられない」「抱きしめたいな!井口!!まさに、眠り姫だ」「会いたかった、会いたかったぞ!井口ッ!!」「君の圧倒的な性能に私は心を奪われた。この気持ち、まさしく愛だ!!」
極端な例ですが、こんな気持ちであってもよいのではないでしょうか(※)
※ 女の子が好きです。
3.メモをとりながらストーリーをつくる
「誰かに」「思いを」伝えるために、相手をイメージしながら、鏡の中の自分と対話します。
1月12日-14日の駒場。霊安室のごとく寒いアパートには、頭モジャモジャのおっさんを想像しながら、鏡の中の自分に思いを伝える28歳男子がおりました。3晩つづけてやりました。
ところどころ忘れないようにメモをとりながら、短い映画のようにプレゼンをしている自分をイメージできたら、鏡の前での特訓は終わりです。
■ プレゼン準備その3:原稿をつくる
プレゼンテーションソフトに向かう前に、原稿を作ります。昔はノートに下書していたのですが、最近はPCやスマホのメモ帳を利用しています。イメージトレーニングが済んでいれば、あとは、頭の中に叩き込まれている脚本をノートに吐きだすだけです。
1行≒1シートという感覚で作成します。今回は「英語」ということもあって、普段よりも平易な日本語を使うことを心がけていました。簡単な日本語の方が翻訳をしやすいからです。資料を作ってみてから気づいたことですが、日本語のプレゼンでもこれくらい平易な方がよいなと思います。
例:
自己紹介します
三木谷さん
楽天の社長
同じ大学
同じスポーツが好きです
同じ業界です
しかし
彼と私の致命的な違い
ミキタニペラペラ、ワタシエイケンサンキュウ
みたいな感じです。
■ プレゼン準備その4 : 翻訳
エキサイト翻訳
以上。
原稿を作成したら、FBのグループに投稿して、友人に英語のチェックをしてもらいました。おおよそ問題はなかったようで、エキサイト翻訳の底力に震えました。
■ プレゼン準備その5 : シート作成
原稿のイメージにあう画像をさがして、テキストとともにプレゼンテーションソフトに貼り付ける簡単なお仕事です。今回は英語で、言語の力に頼れません。イメージが非常に重要だと認識していました。気合い入れて画像を探しました。主にコラ画像を。
とくに、Naverまとめのこちらのまとめには、とてもお世話になりました。
シートが完成したら、何度か通しで話してみて、つながりがおかしなところをチェックしてシートをブラッシュアップします。一通りつながりが良くなったら、時間を調節して終了です。
1月15日と16日。土日の渋谷シーサーオフィスには、「英検3級!3級!Thank you!」と、一人で20回くらい叫んでるWeb系男子(28歳)がおりました。
■ プレゼン準備その6 : 予行演習
シートが完成したのは1月16日。が、無駄なプレッシャーにより、17日・18日とお腹をくだしておりました。しょうがないので、原稿片手にトイレの神様に英語を繰り返し話していました。思い返せば、この体験によりスピーチが血肉になったようです。栄養はケツからダダ漏れでしたが。トイレの神様は"い"る。と思います。
19日・20日は知り合いとお酒を飲む約束があったので、そこで予行演習をしておりました。予行演習をして、「面白いね」「英語は大丈夫じゃない?」などと声をかけてもらえると、不安がやわらぎました。
■ プレゼン準備その7 : 最終調整
ここまでやれば、プレゼンの内容は血肉となっているので、直前の土日は5回ほど通しで練習して時間を確認したあと、別の仕事をしていました。大きな声で練習するには土日の無人のオフィスが好都合です。誰かいるときは、会議室やカラオケボックスとかでもいいと思います。
■ プレゼン準備その8 : 発表当日
プレゼンは、お笑いの舞台、演劇、歌手のコンサートに似ていると思います。
そこで、個人的には「俺の歌を聞けーっ!」みたいなイメージをもって臨んでいます。好きな芸人や役者や歌手のパフォーマンスは参考になるんではないでしょうか。99の岡村さんとかもいい感じです。あの人はやばい。
気合いが空回りしてすべることも、緊張に押しつぶされて震えることもあります。が、そこは場数を踏んでなんとかするしかないと思います。逆に場数を踏んだあとは、傲慢にならないことが重要だと考えています。卑屈になってもだめなので、メンタルなコントロールは難しいなぁと思います。
■ 発表
そんな準備をしてでてきたのが、これです。
「この場から1000人。英語で表現する若者が登場したら、きっと日本はもっとよくなる。その第一回でいいお手本を示してくれました。勇気をもらいました」懇親会で、主催者の方からそんなような言葉をいただきました。Twitterで反応を拝見しても「勇気をもらった」みたいなコメントがありました。
今回、私が英語プレゼンに挑戦したのは、2008年の頓知・井口さんの活躍を見たからです。そこから勇気をもらったからです。
だから、そんな言葉をいただけて、目頭が熱くなって、泣いたらあかんと、懇親会の会場から逃げるように立ち去ってしまいました。若干の後悔が。もうちょっと飲みたかった。
長々としたエントリにおつきあいいただきありがとうございました。
TechWaveさんでは、今後も継続して英語のトレーニング企画を実施していくそうです。直近のイベントは2月10日。もしも、ここまで読んでしまったのなら、この機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
世界に出ようぜ!英語プレゼンでustream! : TechWave
主催者のみなさま、素敵な機会をありがとうございました。
Thank you.
追伸:
プレゼンの最後にちょろっとふれた、新しいサービスを3月にリリースする予定です。プランナーとして「いちばんいいのを、頼む!」とお願いしてまわっているのが最近のお仕事です。
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